「言語喪失と言語学の反応~琉球諸島のケース~」に行ってきた。
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もともとガイコツ大が大嫌いなうえ、近頃ヒトゴミに極度の緊張を感じますゆえ行くかどうかギリギリまで迷っておりましたが、行ってよかった。(終わったとたんそそくさと逃げ帰ったけど)
中でも私にとって面白かった話は日本における英語教育と琉球諸語の教育との比較。
諸語と呼ぶくらいですから、島々によって話される言語は異なるが、その辺あわせてということ。日本語(というか東京語)あわせて日琉語族として取り上げてみると、東京で話される言葉と琉球諸語との言語的差異は同じインド・ヨーロッパ語族にある英語とドイツ語よりかけ離れているそうだ。なのに琉球諸語は「方言」で、英語とドイツ語はそれぞれ独立した言語。しかも「メジャー」な。政治的ぱうわーを感じます。
で、前置き長くなりましたが、ここからが面白い比較の話。
日本における英語母語話者:10万人以下
それでは琉球諸語母語話者:45万人以上
英語がはなせる割合:総人口の11%
琉球諸語話せる割合:総人口の35%
言語能力(英語):TOEIC41位(アジアで)
言語能力(琉球):0~100%
TOEICで日本のスコアが悪い理由は色々あって、ひとつには受験者数の多さ(受験率の高さ)があるそうです。だから一概にただ単に悪いとは言えないとはおっしゃってました。琉球諸語=しまくとぅば(島言葉)の試験があるわけではありませんが、今でもしまくとぅばで生活している人からしまくとぅばなんてさっぱりという人までいるというわけで、このようなパセンテジだそうです。
公立学校教員(英語):10万人以上
公立教員(琉球諸語):0人!!!!
Language Market(英語):約8億円
Language Market(琉球):100万円以下(という予測)
この歴然とした違い。驚き。8億つぎ込んで総人口(日本に住んでるいろんな人ひっくるめて)「私英語を話せますよ」という人は11%・・・。
「たくさんお金を出してたくさんの人が日本で英語を勉強しています。じゃ~どうして今日私がこんな下手な日本語で発表しなくちゃなりませんか?」 と講演者のPatrick Heinrich先生。
ひゃひゃひゃ。Heinrich先生はドイツのご出身で、(おそらく私の受けた印象によると)日本語より英語の方が流暢なんだろう。しかしギャグだとしてもいたい。と言うのも・・・ここは東京外国語大学で、一応日本の中でも外国語に通髄している(と思われる)人間が集まっている(であろう)ところ。だけども発表は当然うちらのわかる言葉でね、という態度。先生は自虐ネタと思って言ったのかもしれないが・・・全然ギャグでもネタでもなく、これ、深刻な問題ですから。。。
そうそう、琉球語といってもたくさんあるわけで、島によって傾向が異なるようです。例えば、
なぜ宮古語(宮古島周辺)で子どもたちのうちなぐち率が高いのか。それは離婚率が高いから。宮古島は日本で1番離婚率が高い地域らしく、シングルピャレントになった親は子をおじぃおばぁに預け働きに。おじぃおばぁの言葉を聞いて育つから宮古島の子どもたちの宮古語を話す率が高い。「おじぃおばぁが何言ってるかさっぱり~」ていうおきなわ島辺りの子どもたちとはちょいと違う。
あるとき石垣島のおばさんが自分の日本語の上手さを自慢してきたので、(Heinrich先生曰く、日本語話せるかどうかなんて興味そんなになかったけど、無礼になってはいけないと思い)理由を尋ねた。すると答えは「台湾が近いからね。」と。???つまり台湾=「植民地」の人々との交流が多かった石垣の人々は「植民地」から来る人たちよりも上手に「日本語」を話さねば!という気持ちがあったんではなかろうかと。はは~ん。
多くの島では今うちなーぐちの復興運動が盛んで、自分たちのアイデンティティをそこに見出していく人たちが多い。ゆえに標準語離れが進みつつある傾向。でも!なぜか与那国島では未だに標準語化が続いているらしい。なぜ?それは戦後一気にあまりにも大量に若者が島を離れたため、島言葉がつよ~く残った反面(30歳以下の話者0人)、当時の標準語化の傾向が今もそのまま見られるのでは、ということらしい。最先端だしね。
なんか聞いててトリヴィ。とにかくいろいろなデータをとってどうしてそうなるかと言う理由は複雑で一言では片付けられないのです。
それでは最後に、YOUTUBEでも載せて終わりにしたいと思います。
Patrick Heinrich先生のチャンネル wadoku2008
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