2011/07/20

「『省略』日仏対照研究と教育への応用」拝聴

日外大の国際日本研究センター主催の研究会に行ってきた。 
フランス語との対照ってところにかなりの抵抗感というか拒否反応。 
それでも行くべし!!!と思った理由は・・・ 

①研究と教育を結ぶという取り組みをリアルに感じたかった。 
②“研究会”という場になるべく足を運ぶと決めたから。 
③タダで、しかもすぐそこで、所謂「すごい」先生のお話聞けるから。 
④純粋に人のプレゼンテーションを見たかった。 

最近のぱごんのトレンドは④。 
今Academic Presentationの授業を受けていて 
毎週PPT使って5分くらい発表させられてる/させてもらってる。 
この半学期いろいろと厳しくも心こもったご指摘を受けてきた中で 
「発表」とか「プレゼン」とか言うものに対する自分なりの判断基準が 
薄らとではあるけど身に付いた気がする。。。 

そんな中で一つの規則を見つけた。 
「日本語教師は『分かります?』を連発する」ということ。 
しかも無意識に・・・ 

でも本研究会で発表くださった金谷先生は全然違った。 
素晴らしかった~ぴかぴか(新しい) 
フランス語の知識皆無の私でも何度も笑った。 
先生本人が今話している内容を本当に面白いと思っているし 
ぜひ皆と共有したい!と思っているから聞いている方も楽しくなる。 
つまりこれがenthusiasmってことか。 
If you are not excited, you can't make the audience excited. 

それに日仏対照とは言っても日本語教育学に引きつけて考えることもできる内容。 
欧米言語(そんなもんあるのか?)恐怖症の私でも理解できた(と思う)。 
まぁこれはきっと金谷先生ご自身が理論を実践にどう生かすかということを 
日々考えていらっしゃるからだろうな~と思う。 
多少古いネタ(ひと世代前の流行ネタ)もあったけど 
全然知らないマニアックなものではなく、むしろ知ってたし。 
とにかくaudience analysisが素晴らしい!!!!!!!!!と感動した。 

とまぁ、こんな視点から聞いていたもんだから肝心の内容は・・・。 
http://blog.goo.ne.jp/shugohairanai 
ブログで拝読しましょう。 

2人目の発表者、秋広(本当は難しい方のヒロ)先生のご発表は 
フランス語未習者の私にはか~んなり厳しかった。 
だからなのか(?)発表スタイルより内容の方をよく憶えている。 

フランス人学生(フランス語母語話者の日本語学習者)の誤用のタイプ 
①目的語を省略しすぎてしまう 
例 車の中で吸ってはいけません。 
  ときどき、家族に書きます。 
②目的語を明示しすぎてしまう 
例 彼女は彼女の鞄から彼女の本を取り出した。 

日本語とフランス語では目的語の省略マナーが違う。 
日本語:文脈から明らかな目的語を省略 
例 壊れた花瓶を目の前にして「誰が壊したの?」 
  「昨日家に帰ったら花瓶が壊れてた。」→「誰が壊したの?」 
  「誰がこれを壊したの?」「誰がそれを壊したの?」は不自然。 
   フランス語ではたいてい代名詞が使われる。 
フランス語:動詞から明らかに予想ができる目的語を省略 
説明 フランス語の文字タイプするのはめんどくさいので日本語で説明。 
   例えばフランス語で「家族に書く」と言えば「手紙を書く」 
   ある特定の「すう」という動詞を使えば「タバコを吸う」 
   という意味に理解されるらしい。 
   つまり(フィリピン語科以外の人にはつまらないかもしれないけど) 
   フィリピン語のmanigaliryoみたいな話。 
   Huwag kang manigaliryo ng sigaliryo!とか言わない、みたいな。 
   manigaliryoといえば吸うもんは煙草と決まってるんだから 
   Naninigaliryo ako ng saliwang hangin. とか無いという話。 

代名詞の多用は他の言語母語話者の日本語学習者とも共通する点だけど 
逆に目的語不在による物足りなさとう点もフランス語からの転移だった 
という点はコメンテーターの先生もおっしゃっていたけど、知れてよかった。 

内容はもっともっとディープだったけど一番面白かったとこだけ取り上げました。 
もっと上手に纏めて意見できるようになりたい。 
修行に励みます。 




   

因に秋広先生は「わかります?ルール」に則って発表くださいました。 

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