昨日ICUで開かれた日本語教育研究会に行ってきた。
うちの大学で日本語教授法を教えてくださっている先生発見!
ご挨拶しました。
2人で行ったんだけど、もう一人の方の関西での学生時代の友人にも会った。
世界中の色々な教育機関に所属する人たちが参加されてた。
12時から始まって始めに2つ講演会があったけど
私たちは16時からの研究発表から参加。
発表は30分ずつで計3回。
私が聞いたのは
①フェイス理論の日本語教育への応用
②PAC分析と質問紙に拠る対人新人日本語教師のビリーフ調査
③LMSを利用した非対面ピア・レスポンスの可能性
①はまず「フェイス理論」ってなんだ?ってこと。
つまりはポライトネス理論という解釈でいいのかなという自己結論。
まだ理論の段階だけど、これまで「ウチとソト」という概念で説明されてきた
日本語の授受表現をポライトネス理論で説明したら?という発想。
さらにポライトネス理論の用語の定義は曖昧なので混乱を招きやすいから
日本語教育の現場ではもっとわかりやすい言葉に置き換えてみては?と。
発表者の先生は言語学の授業と日本語の授業を受講している生徒を教えているので
言語学の授業でポライトネス理論をより詳しく教えていて
(まぁ「フェイス理論」とおっしゃっていたけども)
そして日本語の授業でその理論を用いて学習項目を説明しているそう。
授受表現のほかにも呼びかけ方式にもフェイス理論が使える!そう。
今はこう教えると反応がいいという印象しかないので、
今後学習効果を実証することが課題だそうです。
なかなかおもしろいけどやっぱり定義が曖昧なだけに
出てくる質問も、それに対する回答もびみょ~な感じ。。。
お互いに同じことを頭に浮かべているのかな?という不安の残るものだった。
②は私自身がビリーフ調査を行うかもしれないので
研究方法を見てみたいと思って発表を聞いた。
内容はノンネイティヴの新人日本語教師が研修を通して
「いい日本語教師観」がどのように変化したかをPAC分析を用いて調査。
ここでのビリーフとは日本語教師として
「方法・効果について自覚的・無自覚的に持っている信念」だそうです。
ノンネイティヴの新人教師を対象としたビリーフ調査はこれが初。
そういう意味で意義があるそうです。
でも協力者が2人って・・・。
でも今回の調査はこれまでの研究を踏まえた上で質的な内容に着眼したもの。
これまでの研究もチェックしてみないとな、と思う。
③は私も最近耳にしたLMSという学習管理システムの利用について。
学習版facebookのようなSNSで生徒たちがお互いの作文をアップして
コメント、指摘をし合うというもの。
テーマは非対面ピア・レスポンスの「可能性」となっているけど
どちらかというと「特徴」というべきかな、と思った。
質問が沢山出たけれどほとんどに答えられない発表者。
非対面でどうピアレスポンスを行っていきうるか、つまり可能性というよりも
非対面は対面と相補的な関係にある、とか非対面には独自の評価がある、
とか自立支援を促す可能性がある、とか言う結果。
これはSCATの結果。
だから「自立支援を促す可能性」って例えば?という質問に回答できず。
ただ、この発表者が回答できないのにはもうひとつ訳があったと思う。
というのは質問者から「印象でも構いませんので何か教えて頂けませんか」
と聞かれてようやく発表者は苦しそうに答えていた。
つまり、数値として結果を出していないものは公言できないと考えているのでは?
この姿勢はある意味誤解を生んでしまうけど素晴らしいな、と思った。
科学とかの世界では当たり前なのかもしれないけど。
あとはブックバザールで超初歩的な日本語教育に関する本を数冊購入。
やっぱりこういう場に沢山足を運ばないとな、と改めて思った。
No comments:
Post a Comment